さよならはいわない。

i will never say good-bye,my love

いつまでも変わらぬ愛を

日曜日の昼過ぎ

「ピンポ~ン♪」

演奏中のbassの音が遮られた

 

『荷物は来ない筈だけどな』

 

アポなしで鳴るときは

ほぼほぼ面倒事なので、いつもスルーなのだが

 

何となく、昨日はドアを開けてみた

と云うか、開けなくてはいけない氣がした

 

そこには見知らぬ小柄な女性が立って居り

 

なんだけど

どことなく初対面な感じはしない

 

その女性は

大家さんの娘さんだった

 

「来月から家賃の振込先が変わります」

 

という話をしにやって来たのだったが・・・

 

去年の初めだったか、一昨年の終わりだったか

もう忘れてしまったが

 

うちのエアコンが動かなくなって

大家さんの携帯に電話をしたのだけど

何回鳴らしても出なかった

 

翌日には折り返し掛かって来たが

声の主は大家さん本人ではなく娘さんだった

 

聞けば大家さん只今入院中とのことで

代りに了承を得てケーズデンキに修理を依頼

 

幾日かの寒さをやり過ごし

無事エアコンは復活したのだが

 

大家さんは元氣なおじいちゃんなので

「どこか怪我でもしたのかな?」

なんて思っていた

 

賃貸契約の更新でこの部屋を訪れた時に

「最近は膝が痛くてね」なんて云ってたけどさ

 

昨日の娘さんの訪問は

今後の家賃の支払いについての説明の為

ではあるのだが

 

今回代理を務めるに至ったのは

 

実は大家さん

去年の11月に亡くなってしまったから

という理由だった

 

突然の訃報にショックを隠せなったが

 

ここの貸主があの大家さんで

本当に良かったと思っている

 

優しい人柄で、とても良くして戴だいた

 

大家さんの御冥福を心よりお祈り致します

 

この部屋は

 

俺が北海道の実家で療養していた頃に

当時の彼女が探して見つけてくれた物件で

 

その元カノにもこの事をLINEで報告した

「時の流れを感じるよな」なんて話したけど

 

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夜になると

叔母からLINEが来た

 

叔母からLINEだなんて

まぁレアなことなので軽く驚きだったのだが

 

何のことはない

 

俺が毎週のようにLINEのタイムラインに投稿している

【北極ラーメン】の画像について

ツッコミを入れたかった様子だった

 

「いつも見てるよ」だってw

 

叔母は俺の父親の妹で

嫁ぐ前までは

実家で一緒に住んで居た記憶があるのだが

 

その頃から俺は、叔母のことを

「ヒロコ姉ちゃん」と呼んでいた

 

それは今でも変わらないのだけれど

「幾つになっても"姉ちゃん"と呼んでくれるお前は本当にめんこい」

なんて可愛がってくれている

 

まぁ姉ちゃんは姉ちゃんだし

歳を重ねても"おばちゃん"にシフトすることはない

 

昨夜のやりとりの中では

従弟にまつわる悲しい話を聞いたりしたのだが

 

それを踏まえて 

 

俺はこうして健康に生まれて来られて

本当によかったと、改めて感じる機会となった

 

「この先もなるべく長い間"姉ちゃん"と呼ばせてね」

 

なんて思わず指が動いたけど

 

自分は何のために生まれて来たのだろう?

 

そんな風に物思いに耽ることとなる

 

明確な答えは出なかったけど

何かを躊躇してる場合じゃない

 

人間はいつか必ず死ぬ

 

だから

行動しない後悔だけは避けよう

 

それだけ決めて

 

眠りに就いた夜だった。