昨日の話
実は今まで
あまり人に話したことはありませんでした
ちょっと考えが甘過ぎでしたね
恥かきついでに書きますけど
この事件の後
私は激昂して
「こんな学校辞めてやる!」
なんて云い出し
本氣で退学を考えました
ギターのオオシマくんに
電話で説得されて
思い留まりましたけどね
いや~ホント
彼には感謝しかないですね 苦笑
持つべきものは良き友です
その後
公民館での自主企画ライヴの話が進むも
頓挫してしまったりと
このバンドが陽の目を見ることは
遂になかったのですが
高校生活も残り僅かとなった
最後の正月が明けたある日
一本の電話がありました
ドラマーのオノデラくんです
オノデラくんは
何故かピーと呼ばれていたのですが
「のぞみューさ
最強のメンバーを集めて
ティーンズ・ミュージック・フェスティバル(以下:TMF)に出ない?」
TMFはその名の通り
10代を対象としたバンドコンテストで
その大会への出場の打診でした
ピーは
ひとつ年上で社会人の先輩ヴォーカリストから
招集されたようで
上手いベーシストとギタリストを連れて来る
その役割も担い
(幻の)ZIGGYバンドで一緒に音を出した私に
声を掛けて来たのです
X(エックス)のコピーバンドだったら
ちょっと自信はなかったけど
ピーはそんな感じの
ツーバスどこどこ系のドラマーではなかったので
一瞬だけそんな考えがよぎったけれど
無条件で引き受けました
「女満別に凄いギターが居るらしいから
ギターはそいつを当たってみる」
こうして
道東あばきたもん(網走・北見・紋別地方)の
最強(?)バンドが産声を上げたのです
TMFでの
1バンドあたりの持ち時間は10分
なので
一般的なサイズの楽曲であれば
二曲演奏可能ですが
ここは一曲入魂
一発勝負でという提案となり
課題曲は
リアクションのレッドゾーン
に決まりました
私は早速耳コピーを
というか
曲自体を知らなかったので
先ずはそこからでしたが
リアクションはメタルバンドで
割とテクニカルな印象が強かったけど
この曲のベースは
特に難しいところもなく
ほぼ一日でコピー完了
そして第一回目のバンド練習日
ヴォーカルの先輩は来なかったので
ギター・ベース・ドラムの三人で音合わせ
本当にみんな上手だった…個人の力量レベルではね
初めてにしては上出来だったけど
念のため本番の前に
ヴォーカル入りで
もう一度練習しようという話になった
だが
駄菓子菓子
首謀者である例の先輩
その後も一向に
連絡がつかない
音信不通の状態
彼はどうやら
ばっくれたっぽい…
大会には
もうとっくにエントリーしちゃったし
時間がない
俺たちは苦肉の策で
代理のヴォーカリストを立てることにした
ZIGGYバンドのときの
ヤマちゃんに頼もうという算段だ
選り好みしてる場合じゃない
もうそれしか選択肢はなかった
ヤマちゃんは既に
他のグループ(カラーのコピバン)で
コンテストへの出場が決まっていたが
何とか頼み込んで
当日までに歌を憶えて貰うことになった
だけど
一緒に練習する時間はもうなく
ぶっつけ本番という強行スケジュールに
というか
俺たち三人も
練習は数時間の一回きりだったので
本番当日は
網走駅に早めに集合し
人目を氣にする余裕すらなく
もう形振り構わず
アンプを通さない
貧弱な生音のギター・ベースと
エアドラムで練習
本番では
一番の歌詞だけ憶えて来たヤマちゃんが
二番でも一番と
全く同じ歌詞で歌った
散々なステージデビューだったけれど
これがリアルな現実
だけど隣の町から
網走市民会館まで
クラスメイトが
汽車で一時間かけて
みんな観に来てくれた
これが私の
故郷でたった一度のライヴのお話です。