さよならはいわない。

i will never say good-bye,my love

⑥涙で綴るパパへの手紙

午後四時になりました 

昨日の続きやりますよ

 

未読の方は

是非コチラから先にdoぞ☟

nozomyu.hatenablog.com

 

要約すると

 

私が自分の本当の想いを

両親に明示したことにより

 

母親とは絆が深まって

父親とは溝が深まった

 

突然の父の来訪から数日後

 

自宅に書留が届きました

 

発送元は実家からで

中身は書類でした

 

さて一体何でしょう?

 

それは私に宛てられた

 

平成〇年△月◇日迄に 必ず

実家に戻って来る様に との

 

帰還命令の書でした

 

  • 長髪・茶髪は禁止
  • ピアスも禁止
  • 華美な服装は禁止

 

ざっとこんな感じで

 

こと細かく身なりについても

禁止事項が列挙されておりました

 

って、どこの中学の校則だよ

 

私はもうとっくに成人して

ひとり立ちしておりますが

 

まぁこんな紙切れなど

何の拘束力もありませんから

 

『しょうもないなー』とは思いつつも

 

とりあえずはひと通り

目を通してみた訳ですが

 

問題は書面の最後に

 

直筆ではありませんが

父の署名と捺印

 

続けて

母の署名と捺印が

 

連名で添えられている点でした

 

・・・あれ?

 

こないだ電話で話したとき

 

母は俺の意向を尊重し

支持してくれるって

 

確かにそう云ってたよね

 

父が私に直接会い

 

その様子を母が聴いて

考えが変わってしまったのだろうか

 

私は両親に

自分の意図した生きる道を

閉ざされてしまっている

 

文書の中には

 

もし期日までに帰らなければ

勘当を匂わせるような

 

そんな一節もあったし…

 

書類はそのままゴミ箱行きでしたが

 

私はこのとき

 

家族との縁を切ること

故郷を捨てることを

 

はっきりと覚悟した

 

音楽で生きて行こうと決めたとき

 

最惡こんな風になってしまうケースも

想定していたけれど

 

実際その状況に身を置いてみると

 

それは想像以上の苦しみだった

 

こうして私には

 

失うものは

何もなくなったのです

 

 

・・・数日後

 

 

家の電話が鳴った

 

母からだった

 

ついこないだ

あんなもの勝手に送り付けといて

 

いつもと変わらぬ声のトーンで話し出したことが

私には謎でしかなかったのだが

 

あの文書の件で

私が一切の反応を見せなかったため

 

それできっと

連絡して来たのだろう

 

「あんた今日は何だか元氣がないね」

 

そりゃそうでしょうよ…

 

私は自ら切り出した 

 

「あの書類のことだけど

俺はそっちに帰らないで音楽続けるからさ…」

 

母は云った

 

「…えっ?何の話??」

 

その瞬間

私は悟った

 

あの帰還命令書は

 

父が独断で

母に無断で造ったものだったのだ

 

はっきり云って

私の弱点は母だ

 

そこを熟知している父は

 

己の都合だけを考え

母をダシに使ったのだ!

 

許せない

 

背中のあたりが

灼けるように熱くなった

 

私はこのとき

生まれて初めて

 

憎惡という感情を抱いた

 

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アノ人は女性を口説く際にも

こんな卑怯な裏工作を施していたのでしょうか?

 

そんな男モテねーぞ。