さよならはいわない。

i will never say good-bye,my love

やわらかな思い出はあそこにしまって

高校三年生に

なったかならないかの頃

 

何故かよく家に遊びに来る

一つ年下の女子が居た

 

そんなある日

彼女に掛けられた言葉がある

 

「のぞみューくんは

紫が好きなんだね」

 

その時期の私は

よく紫無地のロンTを着ていたけれど

 

まったくの無自覚だった

 

それからというもの

 

紫色のものばかり

目につくようになり

 

いつしか

 

紫は自分のものだ

 

そんな風に

自我へと刷り込まれて行った

 

まだ幼いとき

ラーメンの丼に浮かぶナルトを目にする度

 

真ん中に"の"と記してあるのは

のぞむ専用の食べものだから

 

そうに違いないと

小さな私は疑わなかった

 

最早

自意識過剰というよりも

 

あたかも

自分を中心に世界が廻っているかの如く…

 

私は

そんな思考の持ち主だ

 

俺はそうゆう人間だ 

 

・・・

 

無事高三となり

平成名物TV

いかすバンド天国が始まった

 

番組の全国放送が開始された回に

出演したバンド

 

白塗り顔に隈取りメイクを施し

 

江戸時代からタイムスリップして来た

 

そんなコンセプトで

沢田研二のカバーを引っ提げ

登場したグループが居たけれど

 

それから10余年

 

私は思いもかけず

 

そのバンドより

新ベーシスト候補としての

オファーを受け取る

 

当初は断るつもりで居たが

 

音を合わせてみてからでも遅くはないと

 

周囲に諭されたため

 

1時間のスタジオで

 

代表曲のお江戸と

レッドツェッペリンのロックンロールを

セッションした記憶がある

 

オーディションが終わると同時に

 

バンマス(当時)の坂川美女丸さんが

氏神一番 開口一番

 

満面の笑みで

 

99.9999%

君で決まり!

 

私はその一週間後

バンドのミーティングに参加していた

 

新宿の喫茶店に呼び出され

今後の活動について説明を受け

 

新四味線奏者(ベーシスト)としての

ステージネームを決める手はずへ

 

私の本名は

 

江戸時代からタイムスリップして来た

 

そこにそのまま

嵌まらないため

 

源氏名を決めるにあたり

 

好きなものは何だ?

 

との質問に

 

当時夢中だったTV番組の

 

ガチンコです!!

 

と即答

 

秒殺で却下されたのちに 苦笑

 

呆れ顔のまま

 

じゃあ、好きな色は?

 

揺るぎようがない

答えは一択の

 

 

ムラサキ…音読みだと"シ"…シエンが良いな!

漢字は来週までに考えよう

 

惡くない言葉の響きと思ったのは確か

 

個人的に

"エン"は艶の字にしたかったが

 

既に

セクシー演歌歌手として

その名を騙る女性アーティストが活動していたため

 

結果

 

生まれ変わった私の名前は

紫炎になった

 

ディープパープル好きなの?

 

なんて質問をよくされたが

そっちじゃないんだなー

 

f:id:nozomyu:20190622000350j:plain

 

アンペグというメーカーの

自宅練習用ベースアンプで

俺様専用カラーのモデルがある

 

2年前に発売された

数量限定品だけれど

 

近々我が家に

やって来ることだろう。

 

今週のお題「わたしの好きな色」