浮世の夢に
転機…
中学一年の三学期以来
いっぱいあり過ぎる
なので
ブログで取り上げるにあたり
ネタとして一番強いやつ
それ行きます
27のときだっと思うけど
俺はずっと演りたかった
グラムロックのバンドを始めた
音楽性は
足して二で割ったような感じ
ベースだけハードロックだなんて
よく云われてたけど
フリル付きのブラウスにレザーパンツ
ラメラメのメイクがお氣に入りだった
月一で
渋谷ラママのステージに立つようになったけど
メンバーの一人に問題があり
バンドは活動約二年で
解散することになった
20代最後の年ということもあり
年齢的には
もうちょっと
この先も
音楽中心の生活を続けて行くのは
難しいかのかもな
そう感じていた矢先
共に頑張って来た
一つ年下のギターが
長かった髪を切って
正社員になったと聞いた
その夏
俺はフリーターのまま
30歳の誕生日を迎えた
苦心惨憺の末
私が導き出した答え
一緒に居た恋人には申し訳ないけど
「来年の三月までに
次の就職先(バンド)が決まらなければ
もうすべてを捨てて田舎へ帰ろう」
年の瀬も迫るころ
ひとり心に決めた
それまで幾度も
「いい加減帰って来い!」
父に糾弾されようと
拒否し続けてきたけど
年貢の納め時ってやつですかね?
もう半ば諦めるしか道はなかったのだ
年が明けて数日すると
前のバンドのドラマーの知り合いだった
顔見知りの女性から電話が架かって来た
「のぞみューくん、今何かバンドやってる?」
「特にやってないですね」
「あるバンドがベースを探しているのだけど…興味あるかな?」
電話主の女性(マッキーさん)は
そのバンドのマネージャーで
何度かライヴを観た際に
俺に一目置いていた様だ
正直、その話
ノリ氣にはなれなかったけど
暇だったし
直接でなくとも
今後に繋がる何かは感じたので
とりあえずバンドメンバーを交えて
会ってみることにした
顔合わせの後日
マッキーさんより再度連絡があり
スタジオリハーサルの日程が決まる
氣ノリしないことに
変わりはなかったが
暇だったので
指定されたバンドのレパートリーを
二曲ほど憶えてスタジオに行くことに
早い話が
ベーシストのオーディションだ
まぁその後で話を断っても
別に良いのではないかと
割と軽い氣持ちで赴いてみると
想像以上の
本格的ハードロックバンドの音だった
当時バンマスだった
ギタリストの美女丸さんは上機嫌で
リハ終了と同時に
「99.99%、君で決まり!」
笑顔でそう伝えて来た
「100%」でない理由は
後日あと一人の候補者と
セッション予定があるからとのことだったが
これもうバンドサイドとしては
ほぼほぼ決定事項じゃないかと…
そして数日後
マッキーさんより連絡が来た
「正式に新ベーシストとしてバンドに加入して欲しい」
そうオファーされたのだ
バンドのサウンドは抜群に良かった
だけどやっぱり
ひとつだけ抵抗が
私にはあったのだ
「どーしても、あのメイクじゃないと駄目ですか?」
マッキーさんの答えは
「大丈夫、のぞみューくんは絶対に似合うから!」
彼女(バンド)の熱意に押される形で
私は入団する意思があることを伝えた
そして櫻が乱れ咲くころ
故郷知床の大地ではなく
渋谷ラママのステージに
再び俺は
舞い戻ることとなったのだ