失恋したんです
この日が訪れること
わかってはいたけれど・・・
GWの話です
私の会社では
4/27(土)~5/5(日)迄がお休みでした
だけど俺には
翌5月6日(月)に
必ず行かなくてはならない
そんな場所が
出来てしまったのだ
有給休暇を取得し
向かった先は
埼玉県草加市
同じ県内なのに
電車で一時間ほど掛かりました
目的はただ一つ
あの人に会うため
約束の時間よりも
20~30分前に待ち合わせ場所に着いてしまったが
そこにはすでに
20人もの人だかり
午前11時を
15分ほど廻った頃
ようやく私は
指定の席へと導かれた
【辛やっこ+缶ビール(セット)】
よく冷えた
サーモスのタンブラーとともに
【中本草加店:"元祖"北極の超】
御馳走様でした(^^♪
何故に"元祖"なのか
それはこの日
中本史上初の限定メニュー
【北極の超】考案開発者
亀戸店(2019年5月より錦糸町へ移転)店長の
佐伯玄太氏が調理担当
鍋を振るいにやって来るからだ
しかも開店50食のみ限定
何があろうと
これだけは外せないでしょう!
11:00のオープン時にして
早くも50人に達するほどの
長~い行列が出来ておりましたが…
この日の午後
急遽中本より配信されたLINEにて
超大人氣メニューが
早々に売り切れた様子を確認
ん?
のぞみューの
失恋話ではなかったの?
これでは
タイトル詐欺じゃんか!
まぁまぁ
もう少しだけ
読み進めてみてってよ
ここからは
泪のラーメン
物語の幕開けだ
2012年
クリスマスイヴ前日
私はひとり
アメトーークの天下一品芸人を観ていた
家の外から
少しづつ近くなる
階段を昇る足音が止み
徐に
玄関の扉が開く
今まで何度も耳にした
癖のある鍵の開けかた
久しぶりに
アイツがやって来た
「私、結婚することにしたの」
そう一言だけ残すと
彼女は
キーホルダーから
この部屋の鍵だけを抜きとり
そっと私に手渡した
8年もの
長い月日が終わる
最後に暫し抱き合って
接吻はせずに別れを告げた
翌日
12月24日
クリスマスイヴ
冷え込む一日になりそうだ
朝から水分は控えて
ベルボトムのその下に
防寒タイツを着用し
風に吹かれるまま家を出る
今日は中本亀戸店で
幻の味とされ続けた
"元祖"北極の超が
1日限りで
復活すると訊いたから
開店時刻を
少しだけ過ぎていたけれど
外待ちだけで
40人は居ただろうか
寒い
兎に角
寒い
独り無言で列で待つ
俺は一体
何をしているのだろう
油断すると
また泪が
頬をつたいそうになる
店着してから
2時間半ほど経過しただろうか
ようやく
暖かい店内へと呼ばれる
もう少しで食べられるけれど
正直
もうどうでも良くなって来た…
更にそこから30分ほどした後
ようやく着席
紙エプロンありますか?
待ちくたびれちゃったなー
安堵感と相まみえ
目の前に
それはそれは美しい
ヴィジュアルの丼が差し出された
私は最初のその一口だけで
すべてを理解してしまう
美味い!
美味過ぎるっっ!!
そこに確かに
3時間待ち以上の対価があった
幸福感に
満ち溢れる空間
店を後にする頃
前日失った戀のほうが
もうどうでも良くなっていた
ありがとう中本
ありがとう北極の超
ありがとう佐伯店長
これだから中本は
どうにもやめられないのだ。